2008年12月7日日曜日

真っ黒の海藻あらめ風呂-伊勢行その3

皆さんと鳥羽沖の菅島を訪れたときのこと。他のメンバーが昼過ぎの便で島を去った後、私は何となく一人残って、地元のMさんがご主人と経営されている旅館「別館村田家」さんに、お世話になることにしました。

菅島の対面にある答志島には、子供の頃からよく海水浴に来ていたのに、菅島は全く初めてです。午前中、島の3分の一ぐらいを皆さんと一緒に廻ったので、午後はひたすらボーっと、旅館の裏浜にある小さな造船所の漁船塗装作業を眺めたり、村田家の先代が、この過疎島の活性化に奮闘された記録誌を読んだりしていました。
画像は、漁船のペンキ塗り替え風景。海に沈めた船台に船を固定し、ウインチで巻き上げ、船底の付着物をこそげ落とし、よく洗浄し、ペンキ塗りに至るまで、全て手作業! 大型タンカーだったら、どんな方法で塗り替えをやるんでしょうかね。?

漁師の生活は、朝早くから夜遅くまでの重労働です。島の外の空気を吸った若者は島に戻らず、島の人口は減る一方。記録誌によると、嫁さんの来手もないので、いい年をした独身の漁師が一時期50人を越え、先代の村田さんは嫁さん探しに奔走されたとありました。この旅館を開業されたのも、島の活性化策の一環だったようです。

開業のときに考案された「海藻あらめ風呂」は、単にお湯の中にあらめを放り込んだものかと思っていましたが、そんな横着なことはしていません。乾燥させたあらめを良く洗い、熱湯の中で成分を滲出させた黒いお湯で、温泉顔まけの多くのイオン類と有機物を含んでいます。当日の客は、私と一組のご夫婦だけでしたから、何かとんでもない散財をさせたような気持ちになりました。翌朝、まさかと思いながら、大浴場に出かけたら、ちゃんと朝風呂も立てられていて、ここの主は中々太っ腹です。画像は、別館村田家の「海藻あらめ風呂」(ホームページから勝手にダウンロード)

 

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