2008年12月7日日曜日

新発田の名園-新潟県新発田②

新発田城から少し離れた寺町界隈の近くに、新発田藩主の下屋敷があります。広大な敷地には、草書体の「水」の字をかたどったといわれる池泉を中央に配した回遊式庭園があり、池の周囲には木々がうっそうと植え込まれ、春夏秋冬、四季の移ろいに応じてさまざまな風情を見せてくれそうです。技巧を凝らしすぎず、自然態に見せているところに、好感が持てます。
 
清水谷御殿といわれた書院は、数奇屋風の平屋建て。殿様の別邸にしては結構簡素な造りで、すっきり落ち着いた佇まいです。そう言えば、水戸の偕楽園も、庭園は豪勢ですが、書院は意外と質素ですね。庭の趣を大切にし、居宅はシンプルな方がかえって粋だと考えていたのでしょうか?
 
この下屋敷と細い道路を挟んで、足軽長屋が1棟移築されています。どっしりした萱葺きの八軒長屋は、しんと静まり返っていましたが、往時は子供の嬌声とおかみさん達の屈託ないおしゃべりで、さぞや賑やかだったことでしょう。

内部は、昼でも暗くて、写真が撮れません。戸を開けるとすぐに、小さな囲炉裏を切った板敷きの間、その隣に、狭い和室が1室か2室、そして、水まわりの土間、の配置になっています。今風に言うと、1DKもしくは2DKといったところですが、ともかく狭い。
 
殿様の別邸と、プライバシーもへったくれもない下々の居宅を同時に見られる点で、清水園の見学は、なかなかユニークです。共通券は700円。
 

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