2008年12月8日月曜日

遠野のスポーツ流鏑馬

遠野の八幡宮では、毎年9月15日の例大祭で、神事としての流鏑馬が行なわれます。その後、もっと秋も深まってから、「全国スポーツ流鏑馬競技大会」が、遠野馬の里で行われます。

競技としてのスポーツ流鏑馬では
●直線走路の通過タイムに、クラス毎の制限時間が設けられている
●的に矢が的中した場合でも、中心円とその外側で配点が異なる
ので、スピードと正確性の両方が求められます。
 
地元は勿論、青森、十和田、群馬などから選手が集まりますが、驚いたことに、半数はうら若い女性です。神事の流鏑馬では、普通狩装束をまといますが、ここでは、狩衣風、水干風、武士風等実に多彩で、きらびやかです。特に若い女性選手は、宝塚の男役のように颯爽としていて、盛んな声援を受けていました。
 
走路は190M、幅2.5Mで、60M間隔で3つの的が設けられています。秒速10メートルぐらいのスピードで疾駆する馬上から、次々と矢をつがえ、的を射抜くのはなかなか難しく、3つの的全てに的中させる人は、それほど多くありません。なまじっかの乗馬経験では、両手を離すこと自体がおそろしそうで、落馬しないようにするのが関の山ですね。
 
遠野は、昔から馬産の盛んなところで、土俗信仰や民話の重要な主役は馬です。しかし、農耕馬がトラクターに取って代わられ、馬との共生が当たり前だった曲り屋は、今ではすっかり少なくなっています。それでも、乗用馬の育成・競り市や競走馬の訓練などは、営々と引き継がれていますし、スポーツ流鏑馬の試みも、伝統の馬文化を守っていこうとする地元の熱意の表れでしょう。

  

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