2008年12月7日日曜日

菱川師宣のふるさと


先日千葉館山に行くとき、高速道路で行くのもつまらないので、久し振りに鋸南町の一般道を走っていたら、「道の駅-きょなん」に出くわしました。道の駅としては、設備の規模はそれほど大きくはないのですが、敷地の一角に「菱川師宣記念館」なるものがあり、建物の前に、唐突に梵鐘が設置されています。一体何だろう、と説明板を読んだら、ここ鋸南町保田は師宣の生まれ故郷だそうです。千葉に長年住んでいながら、初めて知って、お恥ずかしい限り。
 
師宣の父親は縫箔刺繍(金箔や銀箔を縫いこんだ刺繍)の職人だったそうで、師宣はその影響を受けて、小さい時から絵の勉強をしていたようです。江戸に出た師宣は、最初は版下絵師(今風に言えば、挿絵画家)として活躍していたのですが、やがて木版画の一枚絵を創始して、これが後の多色摺浮世絵版画に発展してゆきました。
 
彼が好んで描いたのは、歌舞伎や吉原遊里の風俗です。武家社会に浸透していた狩野派とは一線を画して、そのころ勃興していた町人文化の意気地を見せたのでしょう。彼は生涯故郷のことを忘れることなく、父母や親族の供養のために寄進した梵鐘が、今記念館の前に移築されています。尤も、元のままのは鐘楼だけで、梵鐘は復元されたものです

記念館の詳しい事は↓
http://www.chiba-web.com/chibahaku/66/index.html
  

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