2008年12月7日日曜日

中学生の相川音頭-佐渡④

私のように佐渡に行ったことがない人間でも、佐渡おけさと相川音頭の名前は知っています。佐渡に行ったことがある人なら、島内に30以上もある能舞台での薪能や、一人使いの人形浄瑠璃-文弥人形をご覧になったかもしれません。運よく神社等の祭礼に遭遇すれば、鬼太鼓(おんでこ)の奉納も面白そう。佐渡が伝統芸能の島と言われる所以です。

私はこれらのどれも、生で見たことがなかったのですが、今年の夏にたまたま、相川の京町通りで、宵の舞という相川音頭の流しに出くわしました。その日は前夜祭だったのですが、太陽が西の空に沈むころになって、ざわざわと人が集まり始め、衣装を着けた老若男女が慌しく動き始めました。

毎年本祭では、見物客が4、5千名も集まるので、狭い道路に溢れかえる人を掻き分けるように踊らなければならず、ひと苦労するそうです。この日の前夜祭では、出演は4グループのみ、見物もほどほどの混みようで、ゆっくり写真も取れます。

前夜祭の一団に、地元中学生の流しがありました。先頭の提灯持ち(東北では、頭取と呼びますが、佐渡では何と呼ぶのかな?)は女子中学生が二人、続いて、男女中学生の踊りの一団と三味線・唄の地方が続きます。今の男子中学生は、高校生並の体格をしていて、急に伸びた自分の手足を扱いかねるような、ぎこちない仕草です。でも、あと数年も経たずに、若竹のようなしなやかさを加えることでしょうね。地元の人の話では、他所から来るその道のプロが、佐渡の子供達の音曲に対する勘の良さに驚くそうです。子供の頃から、太鼓、笛、三味線、踊りに触れているのですから、さもありなん。

日本海側の民謡や盆踊りでは、共通点として、菅笠や黒い頭巾で顔を隠すように踊ることがあります。「どうしてなんですかね?」という私の問いに、「お上に顔を見せたり、マトモに視線を上げるのは、失礼に当たるからじゃないの?」と、思いがけない返答。なるほど・・・そう言えば、お殿様は偉そうに「くるしうない、面を上げい」と言いますね。でも、本当かな・・・?

 
 

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