2009年5月8日金曜日

佐渡の鬼太鼓が銀座に

5月4日、東京銀座で佐渡の鬼太鼓が門付けを行った。この日、「ファーム・エイド銀座2009」と銘打って、地方と都会の農・食を中心とした交流イベントが行われた。佐渡の各集落で伝承されている五穀豊穣を祈る行事のひとつに鬼太鼓があるが、当日は佐渡国仲平野の新穂大野地区の若い衆がそれを披露した。

家々を廻るので、太鼓は二人で担ぐ。打ち方も勿論立ったまま。唄や笛、鉦の類はなく、囃子方は太鼓一本。リズムは、野太く単調で、力強い。

色鮮やかな衣装に鬼面をつけた鬼が玄関口を出たり入ったりするが、2頭の獅子がこれを迎え討つという趣向らしい。獅子は1頭につき二人一組で、地面に這いつくばうような姿勢で、鬼を下方から激しく攻め立てる。身体が相当柔軟でないと、この演技は無理。














鬼太鼓のシーズン最初の出番は、4月の春祭り。集落の一軒一軒を門付けして、庭先で酒や馳走が振舞われるらしい。ここ銀座界隈でそんな気遣いをしてくれるところは勿論ないので、メンバーは汗を拭いながら、自動販売機の飲み物で喉を潤していた。

「いつ頃から練習するの?」
「子供のときからですよ。学校を出て、地元の青年会に入って、初めて本番参加が認められます。」
「結構厳しいんだね。今日は若い人ばっかりだけど?」
「うちの地区は、35歳定年だから、中年になるとできないんですよ。」
「道理で。年寄りには無理だもんね。」
「でも、集落によって型は違うので、鬼だけのところもあれば、能のようにゆったり舞うところもあるようですよ。」

この次は、佐渡の山々に雪が残り、桜吹雪が舞う中で見てみたいものである。