2008年12月7日日曜日

”そのまんま”の塩と砂糖-宮古島その1


宮崎県知事の話ではなく、宮古島の塩と砂糖の話です。
 
初めて宮古島を訪れ、宮古島の北部にある製塩会社に見学に行ったところ、ギネス協会にも認定された「世界一含有ミネラル種類の多い塩」を作っていました。宮古島周辺の珊瑚石灰岩層から汲み上げた地下海水を濃縮して、それを熱した鉄板の上に流し込んで瞬時に塩を結晶させる、ごくシンプルな工程です。
 
その結果、海水中のミネラル成分がすべて固形化され、通常の塩づくりでは捨てられてしまうマグネシウムが主成分の「ニガリ」もそっくり含まれています。にもかかわらず、それほど苦味を感じないのは、製法によるものでしょうか。マグネシウムは体内の酵素の働きを活性化し、高血圧症・高脂血症・糖尿病・骨粗鬆症の予防効果があるとかで、皆さんお土産にどっさり買い込んでおられました。値段は結構高くて、50グラムで700円もします。製品名は、パウダー状のものが「雪塩」、結晶を少し大きくした顆粒状のものが「海の力」。
 
沖縄で一般的な甘味料として流通している黒砂糖は、皆さんもご存知のように、サトウキビの絞り汁をそのまま加熱・濃縮して作られますので、カルシウムや鉄分など各種のミネラル分を多く含んでいます。山らしい山がないこの島では、緩やかな丘陵地のあちこちに、サトウキビ畑が目立ちます。島の第一次産業生産高の半分近くがサトウキビによってもたらされるそうですが、農家が手にする収益は、大変厳しいようです。タバコの栽培は、はるかに換金性が高いのですが、農薬を大量に使うので、環境的には問題有り、と地元の方の弁。

宮古島でもバイオエタノールの実証事業が行なわれていて、ここではその原料は、サトウキビです。砂糖生産のために搾ったサトウキビの残滓液に発酵酵素を添加すると、エタノールができるので、これをガソリンに混ぜて自動車燃料として使います。自然環境に恵まれ、また人々の環境保全の意識の高い宮古島らしい事業です。ついでに、栽培農家の懐が少しでも潤うといいのですが。
 

0 件のコメント: