鬼太鼓のシーズン最初の出番は、4月の春祭り。集落の一軒一軒を門付けして、庭先で酒や馳走が振舞われるらしい。ここ銀座界隈でそんな気遣いをしてくれるところは勿論ないので、メンバーは汗を拭いながら、自動販売機の飲み物で喉を潤していた。
「いつ頃から練習するの?」
「子供のときからですよ。学校を出て、地元の青年会に入って、初めて本番参加が認められます。」
「結構厳しいんだね。今日は若い人ばっかりだけど?」
「うちの地区は、35歳定年だから、中年になるとできないんですよ。」
「道理で。年寄りには無理だもんね。」
「でも、集落によって型は違うので、鬼だけのところもあれば、能のようにゆったり舞うところもあるようですよ。」
この次は、佐渡の山々に雪が残り、桜吹雪が舞う中で見てみたいものである。